勝念ブログマイスペース(A.ｂМyＳ) | 恐竜は何故絶滅したか(頭の体操)

2021.04.08 Thursday

恐竜は何故絶滅したか(頭の体操)

死後の世界を見た男(6)

Ａｎ　ｉｎｔｅｒｖａｌ　ｏｆ　ｔｈｅ　ｒｅｃｅｓｓ
恐竜は何故絶滅したか(頭の体操)

　今、世の中は恐竜ブームです。そして、特に話題になっているのが何故恐竜は絶滅したのかということです。その原因について世界中の学者先生方が色々考えています。子供達も興味を持ってそれを見ています。その原因については諸説ありますがその内、現在最も有力視されているのが『巨大隕石の衝突説』です。この説によれば恐竜の絶滅した白亜紀末、メキシコユカタン半島に直径約10〜15キロメートルの巨大な隕石が秒速２０キロメートルで北北西に向かって60度の角度で衝突した。それが原因だと言うのです。ただ、それだけではユカタン半島のごく一部の恐竜が死ぬだけで、他の地域の恐竜は生き残った筈です。それに対し、この説の先生方は次のように説明しています。
　巨大隕石の衝突は単にその衝撃だけではない。その衝突の衝撃によって次のようなことが次々と起こった。まず、巨大隕石が落下したその地点を中心に、地殻の表層が気化し、衝撃で立ち上った噴流の温度は摂氏１００００度にもなり、地表面の温度は２６０度にもなった。その熱波は宇宙空間まで広がり、現在のカナダ辺りまで達した。更に高温の粉塵が広い範囲に降り注いだことで、広範囲に森林大火災が発生した。また、隕石が衝突したことで、直径２００ｋｍに及ぶ巨大な穴ができ、数時間後、その穴に大量の水が流れ込み、その反動で逆流した水が巨大な津波となって、ユカタン半島周辺地域だけでなく、世界中を襲った。また、巻き上げられた大量の粉塵によって、太陽の光が遮断され、長い間気温が低下して、草も生えず、餌もなくなり絶滅した。でも、この説明おかしいですよね。おかしい理由は幾つもありますが決定的な理由をいいますと、恐竜は爬虫類から進化した生き物です。その過程で亀類などと分岐し最後にワニ類と分岐しました。そして、その後に恐竜の子孫の鳥類とも分岐しています。恐竜が上記の説明で絶滅したのなら亀類もワニ類も鳥類も絶滅している筈です。しかし、亀類もワニ類も鳥類も絶滅していません。特に恐竜の子孫の鳥類が生き残っているのは『巨大隕石の衝突説』の成り立たない決定的な証です。それは別として、恐竜が絶滅した原因に関する説は『巨大隕石の衝突説』以外にも主なものだけでも五つ以上有ります。それらは全て『巨大隕石の衝突説』より劣っています。ただ、その中で一つだけ私が興味を持った説があります。それは『地球の寒冷化説』です。地球は十万年程の周期で氷期と間氷期を繰り返しています。氷期とは地球が寒冷化する時期で間氷期とはその間の温暖な時期です。私たちが今住んでいるのはその間氷期で温暖な時期です。今から見て最後の氷期が終わったのは丁度恐竜の絶滅した白亜紀末に当たり氷期の中でも最も寒い時期で氷河期と言われています。その寒さで恐竜が絶滅したのではないかと言うのが『地球の寒冷化説』です。ただ、この説は恐竜が絶滅した原因としては根拠があまりにも弱いのです。何故かというと氷河期が氷期の中でも最も寒い時期だと言っても今より三十度も四十度も低かった訳ではではありません。今より七度前後低かっただけとされています。すると今熱帯の平均気温は三十度前後ですから当時の熱帯の平均気温は二十三度前後です。東京の平均気温で言うと六月頃の気温です。つまり、どう考えても東京の六月頃の気温で熱帯にもいた恐竜が絶滅する筈はありません。これがこの説の最大の欠点です。それにも拘らず私がこの『地球の寒冷化説』に興味を持つのは、私は恐竜が絶滅したのは死滅したからだとは思っていないからです。『地球の寒冷化説』に拘らず今までの説はすべて恐竜が絶滅したのは恐竜が死滅したという前提に立っています。しかし、恐竜は死滅などしていないのです。恐竜が絶滅したのは他に原因があるのです。そして、それは鶏が先か卵が先かという問題と同じ問題です。つまり、鶏が絶滅すれば鶏の卵は絶滅します。しかし、鶏が絶滅しなくても鶏の卵が絶滅すれば鶏は絶滅します。そして、恐竜が絶滅したのは恐竜が死滅したからではなく恐竜の卵が絶滅したからなのです。そう考えれば恐竜が絶滅した理由など簡単な話です。では何故恐竜の卵が絶滅したのでしょうか。それは恐竜の卵がすべて潰れたとかすべて何かに食べられた訳ではありません。それは地球の寒冷化によってふ化できなくなったからです。そして、そう考えれば亀類やワニ類や恐竜の子孫である鳥類が生き残り恐竜だけが絶滅した理由も簡単に解けてしまいます。ところで、私の子供の頃、動物は低温動物・変温動物・高温動物に部類されていました。今はその様な分類はされておらず高温動物も恒温動物とされています。ただ本稿では便宜上昔の分類を用いそれに亜高温動物を加えてそれに恐竜を分類します。亜変温動物としないのは恐竜がワニ類より恐竜の子孫である鳥類に近いと考えているからです。此処で本論に入ります。
　既に記したとおり氷河期の熱帯の平均気温は二十三度前後です。では恐竜のふ化温度は何度で恐竜は卵をどのように保温していたのでしょうか。それについて、現在恐竜のふ化温度に関する資料はまったくありません。従って、これは亀類やワニ類や鳥類のふ化温度から推定する以外方法がありません。どのように保温していたかについては中国の江西省贛州市で約7千万年前の地層から卵を温める「抱卵」状態の小型恐竜オビラプトルの化石が見つかった例があります。その抱卵の状態は現代の鳥類が抱卵する姿勢とほぼ一致し卵が24個あったそうです。ただ、このような抱卵する恐竜の数は少なかったと思われます。それは恐竜の分岐前の変温動物はすべて抱卵しないこと、抱卵する恐竜は抱卵しない恐竜に対し生存競争上不利なこと、更に発見された化石は恐竜の生存した時代の末期のものではあることなどからです。それ以外の保温方法は亀類やワニ類の保温方法から推定するしかありません。では亀類やワニ類や鳥類のふ化温度と保温方法はどうだったのか。私は正確な資料を持つてはいませんがふ化器メーカー・岡崎統合バイオサイエンスセンター・その他の記録からおおよそ次のように推定しています。そして、それに基づいて恐竜のふ化温度と保温方法も以下のように推定しています。但し、精度には自信ありませんが本稿では大雑把で良いと思います。

　　　　　　　　　　　ふ化温度(℃)　保温方法　　　　　　　生活　生存可否
　鳥類(高温動物)
家畜　　　　　　　　　40-50
オウム　　　　　　　　35-45
水鳥　　　　　　　　　45-55
鳥一般　　　　　　　　35-55　　　　抱卵　地表に巣を作る　つがい　生存
　ワニ類(変温動物)
ミシシッピーワニ　　　25-36
ワニ一般　　　　　　　24-43　　　　熟成　地表に巣を作る　片親　　生存
　亀類(変温動物)
ギリシャリクガメ　　　23-32
ヨーロッパヌマガメ　　21-30
亀一般　　　　　　　　20-40　　　　地熱　土に埋める　　　片親　　生存
恐竜(亜高温動物)
恐竜一般　　　　　　　30-50　　　　抱卵　地表に巣を作る　つがい　　〇
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　片親　　×-△
　　　　　　　　　　　　　　　　　　熟成　地表に巣を作る　片親　　×
注)　現存する生物のつがいの数、鳥類95％　哺乳類5％　高温動物以外1％以下

　以上、私の推定が大きく間違っていなければ恐竜の絶滅した原因は一目瞭然だとおもいます。つまり、当時の熱帯の平均気温が23度すれば亀の卵の最低ふ化温度は20度ですから地熱で保温すればふ化します。ワニの卵の最低ふ化温度は24度ですがこの温度だと草木で熟成保温すればふ化します。しかし、恐竜の卵の最低ふ化温度は30度ですから草木で熟成保温してもふ化しません。但し、抱卵保温すればふ化します。それが恐竜の子孫として鳥類だけが生き残っている理由です。なお念のため申し上げておきますが、私は恐竜の卵の最低ふ化温度を30度としましたが、それがもっと低いもしくは最低ふ化温度が30度以下の恐竜が存在していたら抱卵しなくても生き残れるはずと思われますが、それは氷河期の恐竜にはない筈です。それは生存競争上そうなるからです。恐竜と哺乳類を比較した場合は胎生である哺乳類の母体は妊娠中行動が鈍ります。また爬虫類と比較した場合は変温動物である爬虫類は日の光が当たらない時間帯にはほとんど行動出来ません。それに対し卵生で亜高温動物である恐竜はそのどちらの必要もありませんから、哺乳類に対しても爬虫類に対しても生存競争上圧倒的に有利です。だから恐竜は一億年も繁栄したのですが、ただ恐竜の最大の生存の競争の相手は爬虫類でも哺乳類でもありません。最大の競争相手は自分と同じ他の恐竜なのです。そして、ふ化温度が爬虫類に近い恐竜よりもふ化温度が鳥類に近い恐竜のほうが圧倒的に有利な筈です。つまり、氷河期の恐竜の最低ふ化温度は30度どころかもっと鳥類のふ化温度に近く、その頃最低ふ化温度が30度以下の恐竜は生存競争に敗れほとんど絶滅していた筈です。
　ところで、上記表では抱卵する恐竜の片親の生存可否を×-△としましたが実際には生存出来ません。それは現在地球上で生息している陸上動物を見れば解ります。蛇足になりますが少しそれに触れておきます。
　現在南極で生きている陸上動物は下記の七種です。
　哺乳類(高温動物)　
ウェッデルアザラシ　カニクイアザラシ　ナンキョクオットセイ
　鳥類(高温動物)
ジェンツーペンギン　アデリーペンギン
マユグロアホウドリ　ナンキョクオオトウゾクカモメ
　低温動物や爬虫類などの変温動物はいません。それは南極では低温過ぎて卵がふ化しないからです。それに対し鳥類は抱卵するため卵はふ化します。哺乳類は胎生のため卵をふ化する必要がありません。これは上記した表の内容とも一致している筈です。ところで、上記の中で面白い行動をとる鳥がいます。それはナンキョクオオトウゾクカモメです。この鳥は北半球で越冬し十月下旬までに南極大陸と周辺の島までやって来て其処でのみ繁殖するのです。そして、五月中頃には北半球へ帰ってしまいます。それは南極大陸と周辺には自分の卵とヒナを狙う天敵がいないこととペンギンの卵とヒナを狙って食べるためです。南極のペンギンは十一月ごろ卵を生みます。ところで、南極のペンギンがどのように繁殖しているかといいますと、アデリーペンギンの例によりますと、メスは十一月に卵を生みその卵をオスに預けて餌を食べに行きオスはその卵を一人で抱卵し温めるそうです。卵は四十日程でふ化しヒナになります。この時オスはヒナに餌を与えられません。その為、この頃メスが戻って来てオスからヒナを受け取りオスに変わってヒナを保温し食べた餌をもどしてヒナに与えます。ヒナは二十日程で若鳥になります。若鳥の食欲は旺盛で親は毎日二羽とも餌を取りに行き餌を運ぶそうです。若鳥は三十日程で独り立ちし海にはいります。このアデリーペンギンの例からすると恐竜も片親で抱卵したら卵はふ化出来ますがヒナを育てるのは無理でしょう。なおこれはあくまで論理上の仮説で、片親で抱卵するような恐竜はいなかったというのが実情でしょう。以上、私の推論はあやふやですが、恐竜が絶滅したのは恐竜が死滅したから絶滅したのではなく、地球の寒冷化によって恐竜の卵がふ化しなくなった為に絶滅したというのはまず間違いないでしょう。