生物の絶滅と進化の普遍的プロセス
恐竜絶滅ふ化不可説の発展(1)
恐竜絶滅ふ化不可説と現代生物学の基本的概念の違い
現在の生物学は遺伝子(ＤＮＡ)研究の発達によってすこぶる進歩を遂げています。そして、それに基づきダーウィンの進化論を超える新たな学説が次々と出ています。しかし、私のいう恐竜絶滅ふ化不可説の立場から言うと現代生物学の基本的概念は過去の進化概念から完全には抜け出していないのみならず、過去の進化概念の弊害を引きづっている上に、過去の進化概念から抜け出したがために新たな弊害さえ生み出していると思わざるをえません。そこで、恐竜絶滅ふ化不可説の基本的概念と現代生物学の基本的概念の違いを簡単に比較羅列してみます。なお、詳しくは改めて個々に記します。なお、私は過去に生物学など一度も学んだことなどありませんので新しい学説など知る由もなくインターネット上の辞書を見ただけです。従って、あくまで諸説に共通すると思われる一般論について述べたもので、新しい学説をすべて網羅したものではありません。また、内容については現在の生物学に対し批判的な内容になっていまが、それはこのブログを読んでいただいている方々に恐竜絶滅ふ化不可説の基本的概念がどの様なものかより解り易くしたためですのでご了承ください。では、以下に恐竜絶滅ふ化不可説の基本的概念と現代生物学の基本的概念を比較羅列してみます。
まず、第一は生物の進化の主体性の問題です。現在の生物学では生物が進化した、もしくは進化すると考えられています。つまり、簡単に言うと生物の進化の主体性は生物にあると考えられています。しかし、生物の進化を左右するのは環境であって生物の変異(ＤＮＡのミスコピー)が生物の進化の方向性を決めているわけではなく、その変異がその環境に適応できるか否かによって進化の方向性が決まっていると言うのが恐竜絶滅ふ化不可説の基本的考え方です。つまり、生物がどう進化するかはその生物の変異がその時の環境に従った結果だというのが恐竜絶滅ふ化不可説の基本的概念なのです。と言っても、生物の進化に関しまったく生物の主体性がないと考えているわけではありません。生物の進化には生物の主体性は存在します。ただ、その主体性は生物の進化が環境に支配されているため内在化してしまっているのです。そして、その内在化した主体性こそが以下に記す生物の進化の方向性の原点だと考えているのです。
第二は生物の進化の方向性の問題です。現在の生物学では生物の進化には一定の方向性はないと考えられています。しかし、生物の進化にはJ.ラマルクの『動物哲学』にあるような「ある目的に向かって一定の方向に進化」してはいませんが、ある一定の方向に向って進化したことは明らかな事実です。そして、これこそが進化の普遍的プロセスの原点なのです。と言ってもJ.ラマルクの言うように生物に「ある目的に向かって一定の方向に進化」するなどという目的や方向性があるわけではありません。ただ、生物が継続的に存在するためにはそういう方向に進化せざるを得ない環境下に存在しているだけの話なのです。生物は動物に限らず植物も含めて生存競争をしています。その場合継続的に存在する為には生き残らなければなりません。そして、その最大の競争相手は異種生物ではなく同種の生物です。その競争に勝つためには巨大化するか高温恒常化して活動能力を高めるかしかありません。そして、生物はその巨大化・高温恒常化の方向に向け進化しています。ただ、そのいずれの方向性にも競争上利点はありますが欠点もあります。その欠点をさけ少しずつ進化しているのが昆虫や爬虫類で、その利点を優先して大きく進化してきたのが恐竜や哺乳類です。ただ、恐竜はあまりに巨大化したために欠点が顕在化して環境変化に適応できず絶滅してしまいました。そして、巨大化より高温恒常化を優先した鳥類や哺乳類が生き残っているのです。インターネットを見ていると何故現在の生物は恐竜のように巨大化しないのかという質問をよく見かけますが、それは巨大化するよりも高温恒常化して活動能力を高める方が利点も多く欠点が少ないからです。この生物の進化のプロセス、高温恒常化と進化の方向性は今後も継続的に続く筈です。この進化の普遍的プロセスはたとえ火星上であっても木星上であっても変わらない筈ですが、もし火星や木星上で生物が進化していれば私たちが想像している以上の生物になっていたでしょう。例えば、競走馬のサラブレッドは四本足です。一本足を骨折すれば地球上では生きていけません。しかし、火星の重力は地球の重力の38％しかありません。足一本骨折どころか二本足で立って歩いているかもしれません。また、木星の重力は地球の重力の2.37倍あります。従って、体重を支えるためには足の数は十本以上いる筈です。もしかすると身体を構成するタンパク質の分子構造も地球上とは違っていたかもしれませんし、タンパク質ではない化学物質であったかもしれません。もちろんこれは極端な言い方ですが、ただ生物の進化の主体性はそれほど大きく環境に従属しているものなのです。
第三は生物の進化や絶滅の原因の問題です。現在の生物学では生物の絶滅や進化を生物の変異など物理的原因に求めています。そして、生物の進化は遺伝子のミスコピーによるその突然変異が原因だとされています。その点につては、突然変異した生物の進化の主体性が環境に従属し進化しているという点を除いては特に異存はないのですが、少し気になるのは現在の生物学では突然変異の原因である遺伝子のミスコピーがまったく偶然ランダムに起きるとしている点です。人間のする事務的コピーと遺伝子の行うコピーを同列に扱うのは問題がありますが、コピーミスは機種や個々の機械の癖によって偏りのあるものです。遺伝子のミスコピーは種や個々の個体によって全く偏りもなく全てランダムに起きているのかは気になるところです。なお、蛇足になりますが実用(進化)上問題になるようなミスコピーが起こる確率はまれでしょうが、その母数(地球上存在する全生命の放出する精子と卵子の数)から考えるとその発生件数は膨大なものでしょう。いずれにせよ生物の進化の原因に関し現代生物学の基本的概念と恐竜絶滅ふ化不可説の基本的概念には差はありません。問題は生物の絶滅の原因の基本的概念の差です。そして、絶滅すれば進化でませんから
生物の絶滅の原因については三つの観点から捉える必要があります。一つめはその生物の絶滅を起こさせた直接原因は何かの問題です。二つめはその直接原因がその生物の成獣から幼獣・卵までのすべてを絶滅させてしまったのか若しくは卵や幼獣や成獣などの特定の成長過程の世代を絶滅させてしまったのか問題です。三つめは生物の物理的存在性のみによるものなのか生活習慣によるものかの問題です。その内、直接原因については、現在の生物学では生物の絶滅はその生物が寒冷化などの環境の変化に適応できなかった為とするのが一般的で、その原因はほとんどが地球の寒冷化だとされています。その点については生物の絶滅を起こさせる直接原因に関し恐竜絶滅ふ化不可説も現在の生物学と基本的に概念の違いはありません。問題は他の二点です。
一点は生物の絶滅はその生物の生存過程すべに対し起こったのか若しくは繁殖や成長などの特定の過程に起こったのかの問題です。現在の生物学ではその点に関してはほとんど論じられてはいません。ただ力点は成獣の絶滅に置かれています。それに対し、恐竜絶滅ふ化不可説では、成獣が絶滅することなどありえなく絶滅は卵からヒナ(幼鳥)時代にしか起こりえないと考えているのです。その理由を恐竜の絶滅を例にとって記します。地球には南極から赤道まで、赤道から北極までかなりの温度差のある地域がつながっています。また、草原、山林、砂漠、河、海などバラエティに富んでいます。そして、恐竜は南極、北極、亜寒帯の一部を除いて全ての地帯には広く分布していた筈です。しかも、成獣は移動能力を持つ上に高度な体温調節機能(体温の自律的な恒常性維持と放熱機能)も持っています。たとえ恐竜の絶滅の原因が地球の寒冷化であろうと隕石の衝突であろうと地球全体が凍土化したり灼熱化したりしたわけではありません。その様な原因で環境が変化して多くの成獣が死滅しようとも、一部の成獣は何処かに移動し細々とでも生き残れる筈なのです。従って、成獣が絶滅するなどということはありえないのです。それに対し、卵やヒナ(幼鳥)は移動能力もありませんし体温調節機能も発達していません。従って、卵やヒナ(幼鳥)は移動も出来ませんし成獣が生存可能な環境下でも死滅します。そして、それは個々の個体に起こるのではなくその世代全てに起こります。つまり、絶滅です。そして、それはいずれ成獣が絶滅することおも意味します。もちろんそれは一時に地球全体に起こったわけではありません。それは地球の寒冷化が進むに従って地球全土に広がつて行ったのです。そして、それが何度か繰り返えされると恐竜の卵やヒナ(幼鳥)はもちろん成獣も絶滅してしまいきす。その時期が白亜紀末期の氷河期だったのです。つまり、恐竜の絶滅は成獣に起こったのではなくその卵やヒナ(幼鳥)に起こっているのです。但し、例外があります。それは鳥類の祖先のようにつがいで抱卵し南極のペンギンのようにヒナ(幼鳥)を保護していれば鳥類の卵やヒナ(幼鳥)は絶滅から免れます。その様にして恐竜の子孫として唯一生き残ったのが現在の鳥類です。それが恐竜絶滅ふ化不可説の基本的概念です。
次は、生物の絶滅はその絶滅した生物の物理的存在性のみによるものなのか生活習慣によるものなのかの問題です。現在の生物学では主として絶滅した生物の物理的存在性に重点を置き生活習慣を原因とするものはほとんどありません。確かに生物が絶滅する直接の原因はその生物の物理的存在性にあります。しかし、その生物が絶滅するか否かはほとんどその生活習慣にかかっているのです。恐竜が絶滅し鳥類のみが生き残ったのは鳥類がつがいで抱卵しヒナ(幼鳥)を育てる生活習慣を持っていたのに対し他の恐竜がそういう生活習慣を持っていなかっただけの差に過ぎないのです。人類も私達の祖先であるホモサピエンスを除いてすべて絶滅しています。その分岐前の霊長類である類人猿で現存する生物はテナガザルからチンパンジーまで約五種、それに対しその分岐前の霊長類である猿類は二百種以上現存します。何故そうなるのか。勿論その直接原因はその物理的存在性にあります。しかし、それを決定付けたのは生活習慣です。人類の絶滅については改めて記しますが、私達の祖先であるホモサピエンスが人類の絶滅から唯一生き残っているのは欧米人がマスクを付ける習慣を持たず日本人は病気の時にマスクを付ける習慣を持っている。生物が絶滅するか生き残るかはその程度の差に過ぎないのです。勿論コロナが原因で・・・と言う心算ないですが。
前回の恐竜絶滅ふ化不可説の補正と訂正
前回の恐竜絶滅ふ化不可説の内容について一部誤解を招くような内容がありますのでそれに関し簡単に補てん補正させて頂きます。その内容に関し詳しくはあらためて記します。
まず、第一は鳥類の祖先が卵をふ化させる為に抱卵していたかの如く書いていますが必ずしもそうではありません。むしろワニ類の行動から見ると外敵から卵を守るために抱卵していた可能性が強いのです。更に他の弱小恐竜の行動から見ると鳥類の祖先は集団繁殖地で集団繁殖していたと思われます。
第二は、恐竜絶滅ふ化不可説のふ化はふ化だけが問題のように思われますが、鳥類のヒナはふ化しただけでは育ちません。その為、恐竜絶滅ふ化不可説のふ化にはヒナ(幼鳥)の時代も含んでいます。
第三に、つがいの問題ですが、これについても必ずしも抱卵する為やヒナを育てるためにつがいになったとは限りません。鳥類に限らず高温動物は寒くなると身を寄せ合って暖をとる習性があります。その所為かもしれません。なお、つがいであったというのはあくまで推測でこれを実証するのは不可能です。何故なら二羽が同時に抱卵するなどということはありえないからです
第四は、白亜紀末の氷期を「今から見て最後の氷期」と書きそれを「氷河期と言われています」と書いたことです。氷期は約十年周期で繰り返されており最後ではありません。また氷河期と言われています」と言うのも不確かです。。
補記、進化論という概念が生み出す誤解
進化論(ｔｈｅ ｔｈｅｏｒｙ ｏｆ ｅｖｏｌｕｔｉｏｎ)はチャールズ・ダーウィンの唱えた進化論が有名ですが、もともと生物の進化(ｅｖｏｌｕｔｉｏｎ)に関する概念は紀元前のソクラテスやプラトンの時代からあった。このｅｖｏｌｕｔｉｏｎという概念はラテン語の展開や発展という概念であって、日本語の進化という概念とは必ずしも一致しない。それはラテン語の展開や発展という概念には方向性がないのに対し、日本語の進化という概念にはある目的に対し一定の方向性が存在する点です。日本語の進化という訳語は1882年（明治15年）ごろ加藤弘之(旧東京大学初代綜理)によって当時の西洋の生物学の用語evolutionを社会学的に引用されたものです。当時の西洋の生物学はフランスの J.ラマルクの『動物哲学』 (1809)に代表されるように「生物はある目的に向かって一定の方向に進化した」という近代的な進化論の盛んな時代です。その進化論もその後ダーウィンの『種の起原』 (1859) によって否定される訳ですが、日本の生物学ではそのまま進化という言語が用いられているのが現状です。もちろん現在の生物学者にはその進化という言語によってその研究が左右されることはありません。それどころか最近では遺伝子(ＤＮＡ)研究の発達によってすこぶる進歩を遂げています。ただ私のような一般人にとっては誤解を招く用語であることは間違いありません。
